袋地にある家を売りたいです。無道路地を高く売る方法はありますか?
袋地とは、民法上は道路に接道していない無道路地の土地のことをいいますが、不動産業界においては、土地と道路の間に路地状の土地を有する旗竿地と呼ばれるものも含まれます。
今回は、民法上の無道路地についてご説明したいと思います。
まず、無道路地(袋地)とは、建築基準法上の道路に、土地が接道していないため、建築基準法上、新たに建物を建てることができないという制限を受けてしまう土地のことです。
また、他人の土地に完全に囲まれており、他人の土地を通行しなければ公道に出れないような土地を指すこともあります。
この場合は囲繞地通行権といって、幾ばくかの使用料などを支払って当該他人の土地を通行させてもらうことによりなんとか土地としての利用価値を保っています。
どちらにしてもその土地の利用について大きな制限を受けるためにその価値はどうしても下がってしまいます。
当然売れにくくなるわけですが、これについて何らかの工夫ができないか考えてみましょう。
最悪売れないという危険に対処するには
利用価値が低いために買い手がなかなかつかないことが多い無道路地(袋地)は、一般の不動産業者では買い手の誘引が難しいこともあります。
ダラダラと仲介手数料だけが取られて売れないままという状況はよくありません。
こういう場合は無道路地(袋地)など利用価値が低い物件を専門に取り扱う不動産業者を探すことも必要になります。
彼らはあえて利用価値の低い物件を買い取り、賃貸ビジネスに利用するなどして利益を生み出すノウハウを持っている業者です。
当然利益を生み出すためにはかなり安い価格で購入しなければならないので売主としては痛いのですが、最悪売れないという事態を回避するためにはこのような業者の存在を知っておく必要があります。
周辺の土地を買って無道路状態を解消して売る
費用がかかりますが、無道路地(袋地)の周辺の土地を買い取って土地を繋げ、無道路地(袋地)を解消してから売ることで高値で売ることができるようになります。
建物の再建築が可能になれば家の建て替えも可能になりますし、公道への土地が自前で確保できれば他の土地所有者の許可を得て通行させてもらう必要もありません。
しかしこの場合、その土地の所有者が売却に応じてくれれば良いですが、断られると終わりです。
また、無道路地(袋地)であることによって、こちらが困っているため、道路部分の土地を「売ってもらう」ことになりますので、道路となる部分の土地所有者は、「売ってあげる」側になります。
そのため、土地所有者の方が価格交渉には断然有利であり、それ相応の価格を提示されることが一般的です。
このような土地の価格交渉では、圧倒的にこちらが不利ですので、支払い可能な価格であれば良いですが、交渉はなかなか難しいかと思います。
このように、無道路地(袋地)を解消するためには、周辺土地の買収をし、必要な土地の整備をして、さらにその土地の売却に向けて動いていく必要があるので、かなりの時間が必要になるかと思います。
この辺りは、不動産業者や専門家に相談し、何か良い手だてがあるかどうかを確認しておきましょう。