家を売ると所得税や社会保険料は上がる?住民税、健康保険料への影響は?
住宅の売却を考える時、仲介業者との付き合いや買い手との折衝など、気をかける必要がある項目が多くて大変です。
それに加えて売り手としては売却後の代金にかかってくる税金などへの対処も必要ですから頭が痛いですね。
また税金だけでなく、国民健康保険などの医療保険への影響も出てくる可能性もあるので、一層気をもみます。
この点、税金関係と医療保険は全く別の制度で動いているので、一方で認められる控除や減税などの配慮が他方では通用しなかったりします。
この点を注意しながらそれぞれどのように影響するのか見ていきましょう。
所得税・住民税はどうなる
例えば、現在年金生活で税金の支払いが無い方でも、不動産という大きな資産を売却した場合には、一時的にでも大きな所得がでることになり、その所得に対して税金が課せられます。
しかし、自宅を売却する場合は、様々な税務上の配慮がなされているため、多くの事例では減税措置を利用することで課税を回避することが可能です。
不動産の譲渡で発生する所得は譲渡所得ですが、その不動産をどれくらいの期間保有しているかで税率が変わってきます。
ザックリ言うと、5年超所有の場合は所得税15%と住民税5%が課せられ、所有期間が5年未満の場合は所得税30%と住民税9%が課せられます。
すなわち、短期での売買は投機目的が強いと判断して税率を上げているのです。
しかし、3,000万円までの譲渡所得には税金を免除する特別控除の制度もあるので、これを利用すれば、多くのケースで免税されます。
国民健康保険料はどうなる
こちらは税金とは別のシステムで動いているので、先ほどの減税措置のようなものはありません。
国保は前年の所得の大小で保険料が変わってくるので、住宅の売却で一時的にでも所得が増えると、翌年の国保の保険料がかなり上がってしまうことがあります。
ただ保険料は上限が定められているので、それ以上は上がることはありませんが、「一時的な所得だから」という理由で保険料の減額などはできません。
国保と同じように、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度に加入するお年の方も、所得が保険料に影響するので、不動産の売却で「一時的な高額所得者」になってしまった場合は翌年の保険料が上がることになります。
医療保険制度にも、税制のような保険料控除制度みたいなものができればよいのですが、いまのところそのような動きは無いようですね。
具体的な保険料などは、地域の国民健康保険事務所や市役所などでお聞きになられると良いと思います。