家の売却の時、購入時の売買契約書は必要ですか?紛失しているとデメリットはありますか?
みなさんは購入した自宅の売買契約書を手元にちゃんと保管してありますか?
古いものは引越しや整理の時の移動でどこに行ったか分からなくなってしまったという場合もあると思います。
もし紛失してしまっても、家の売却そのものはできますが、税務上で不利益を被ることがあるので注意が必要です。
購入時の売買契約書は税金対策になる
なぜ購入時の契約書が無いと不利益を受ける危険があるかというと、不動産を売却したら相手からその代金を頂きますよね?
この代金には「譲渡所得」として税金がかけられてしまうのです。
この税金は税率も高く、かなりのダメージになります。
しかし税金は儲けに対して課税されるものですので、売却によって「利益」が出ていなければ課税されないのです。
サラリーマンの場合は自営業と違って経費という概念が分かりづらいかもしれませんが、例えば鮮魚店の店主は魚を仕入れるためにお金(経費)を払って、その後にその魚を市民に売ります。
その際売って得た代金そのものに課税するのではなく、仕入れの為に支払った経費を減算して、残った儲けにかけられるのです。
今回の家の場合も購入の際に支払った購入代金や建築費用が経費になるので、売却代金からその分を引くことができるのです。
しかしそのためには証明するものが必要ですから、証明書類として購入時の契約書を利用するわけです。
契約書を紛失しても諦めない
もし失くしてしまっても手はあります。
契約書以外にも購入時の価格を知る方法はあります。
その方法を紹介していきますね。
その住宅入手の際の契約の相手事業者に確認する
その家屋はどこかの不動産業者から購入したものですか?それとも新築物件として建築したものですか?
前者の場合はその不動産売買事業者を、後者の場合は建築を請け負った建設業者にコンタクトを取って事情を説明し、当時の契約書が残っていないか確認してもらいましょう。
もし残っていれば多少の手数料がかかるかもしれませんが複写を取ってもらう、あるいは原本を買い取るなどの方法で入手しましょう。
古くなったものは破棄されている場合もあるので、その場合は次のことを試します。
購入代金が書かれた他の書類を探す
契約書以外でも購入代金が書かれたものが存在する場合があります。
例えば領収書です。この書面にはまさに金額そのものが記入されるので、これを探し出せれば万事解決です。
念のため、購入、建設の際の契約の相手方の事業者にも領収書の控えが残っていないか確認しましょう。
他には預金通帳などでも確認できることがあります。
普通、記載面がなくなって新しい通帳を発行してもらうと、古い通帳は裁断などして処分してしまう人が多いと思いますが、保管している場合は振込の実績が残っています。
その記載から振り込んだ相手や金額が読み取れることもあるので確認してみてください。
可能性はかなり低いが登記の付属資料に記載があることも
可能性はほとんどないと言っても良いくらい低いですが、過去の登記の際の付属資料にごく稀に金額の記載があることがあるようです。
法務局では一定の期間、閉鎖した登記の情報を閲覧できることになっているので、その登記の本体ではなく、添付書類などに記載していれば確認することができます。
ただし普通は金額を書くことはないので、その当時に何らかの事情で記載がされた場合に限られます。
この添付書類等は30年保管されることになっているので期間内であれば確認できるでしょう。
証明書類がどうしても用意できない場合は
使えそうな証明書類がどうしても用意できない場合でも、一定額を購入費用として計算することが認められています。
ただし購入代金の5%という固定の数字になりますので売却益がでてしまうことになります。
もし契約書等で買った時よりも売った時の価値が下がっていることを証明できた場合は、もしかしたら儲けが出ないので課税されていなかったかもしれません。
みなさんも今一度契約書の保管場所を確認してみてはいかがでしょうか。
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