空き家の売却で相談です。親から空き家を相続しましたが、税金はかかりますか?

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結婚後両親と別居して生計を異にしている場合、相続で親の住居を相続しても使い道がなく、保有するだけでも固定資産税などの税金面での支出や定期的なメンテナンスを施す必要があります。

最近は遠方にある家屋の管理ができずに放置されることが問題に発展するケースもあり、「相続における実家問題」などとしてテレビでもクローズアップされることが多くなりました。

使用もせず、管理も難しく、税金の支払いも嫌ならば売ることもできますが、その際の税金面の相談は結構多いです。

相続財産の不動産売却も一般の売買取引とルールはあまり変わりませんが、相続財産特有の税務上のルールもあります。

ではどのような税金がかかるのか、見ていきましょう。

  相続した家屋に対する課税

家屋を売却譲渡した場合、その譲渡益に譲渡所得の税金がかかります。

あくまでも「益」が出た時のみ税金がかかることになります。

つまりその家屋を取得するのにかかった購入代金や測量費などの費用(取得費用)と譲渡費用(業者への手数料など)よりも売却額の方が高ければ、その分に課税されるということです。

そして家屋の場合は築年数の経過によって価値の減少という補正が入るので減価償却費を引いてやらねばならないのが面倒です。

減価償却費は事業に使われていなかった場合には、「建物の耐用年数の1.5倍の年数に対応する旧定額法の償却率で求めた1年当たりの減価償却費相当額にその建物を取得してから売るまでの経過年数を乗じて計算する」ことになっていますが、詳しくは税務署にお尋ねください。

 

まとめると

 

取得費用-減価償却費+譲渡費用<売却金額

 

以上の場合は課税となります。

 

この点、家屋の場合はその家屋の取得費用(建設費など)を計算する必要がありますが、相続不動産の場合は被相続人の取得費を引き継ぐため、両親がその家屋を買うのにかけた費用を調べる必要があります。

何十年も前の住宅の場合資料もないことが多いので、その場合は「譲渡した時の売却額の5 %」におきかえてもよいことになっています。

 

税金がかかる場合でも低い税率で可能な場合も

相続で家屋を取得した場合、その不動産の所有期間が長ければ税率が半分になるという特例があります。

譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年超の場合は5年以下の場合の半分になります。

そして相続の場合は親の所有期間を引き継ぎますので、親が家を取得した日からあなたが譲渡した年の1月1日までの期間が5年超ならば長期所有となり、譲渡所得にかかる税率が半分になります。

長期所有(5年超)の場合は15%ですが、短期所有(5年以下)の場合は30%もかかります。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

この特例は、相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるというものです。

特例を受けるための要件

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

 

前記の要件を満たしているときは、相続の際に発生した相続税の一部を取得費に加算することができる場合がありますので、一度税務署へお尋ねください。

また、この特例は平成27年1月1日以後に開始する相続等により取得した場合には、それ以前のものと、計算式が変わりますので、注意が必要です。

21.空家の売却で相談です

 

 

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