家の評価額を調べたいです。不動産鑑定と不動産査定ではどう違いますか?

 

45.家の評価額を調べたい

自宅の売却の際に利用する、不動産業者が行う査定によって作られる書面をいわゆる不動産査定書といいますが、一方で不動産鑑定という言葉もたまに聞くことがありますね。

鑑定も査定も日本語としては物の価値を判断するという意味ですが、こと不動産の世界では両者は厳密には使い分けられます。
一般の方はあまり意識しないで用いることが多いと思いますが、この違いを知っておくことで不動産の世界をより深く知ることができますよ。

不動産査定とは

あなたが土地や建物などの不動産を売却したいという時に利用されるのが、不動産業者が行う物件査定です。

これはその対象不動産を、その所在地において売りに出したとき、その査定者の持つ経験や情報を基にすれば大体いくらくらいで売ることができるのか、という予測の数値になります。

実際にその値段で売れるとは限りませんし、査定書として出される数値はその査定者の経験なり情報なりに大きく左右されることになります。

同じ不動産ビジネスでも売買の仲介を得意とするものもいれば、賃貸ビジネスが得意な者もいます。

査定者の経験に信頼がおける場合は有力なデータとして査定書を入手することができますが、査定が不得手な者であれば信頼性は下がるでしょう。

 

不動産鑑定とは

査定の信頼性を最も担保できるのが不動産鑑定です。

これはその鑑定を行えるのが、不動産鑑定士という国家資格者だけであるという点で担保されます。

要するに日本で最も権威があり、正確な不動産の価値を知りたいならば不動産鑑定士による鑑定が必要だということです。

その代りその鑑定にはそれなりに費用がかかります。

データの信頼性にお金を払うイメージです。

しかし鑑定士による鑑定は通常の売買にかかる査定に用いることは、特殊な場合を除いては不適切です。

どのような場面で必要になるかというと、裁判上での争いの解決の為に対象不動産の正確な価値の把握が必要だという場合や、相続争いで相続人同士の間で不動産の価値について争いがあり、取り分を正確に算定するために不動産の正確な価値を知る必要がある、等の場合です。

とくに争いが無い場面では鑑定士が行う学術的な鑑定は必要ないので、通常の売買では鑑定を依頼する必要はないでしょう。

ただ銀行などからの借り入れの際に、より詳しい評価を求めて銀行が鑑定士による鑑定書の提出を求めてくることもあります。

また、最近では売買価格が適正かどうかを見極めてくれるコンサルティングサービスを行っている不動産鑑定士もいるので、不動産業者が行った査定額に不満があるときや、疑問があるときは、一度相談されてもいいかもしれません。

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