家の権利書がなくても不動産を売ることは可能ですか?
あなたは自分の家の所有権があることをどうやって他人に証明しますか?
不動産登記簿、それも手段の一つです。
しかし売買など権利の移転を行う時にはそれだけではなく登記所に対してする手続き上、いわゆる権利書が必要になります。
「権利書」「権利証」などと称されることが多いですが、古いものだと「登記済み」という赤いハンコが押されたものを所持している方も多いと思います。
ところが現在はその「権利書」はもう使われていないのです。
現在は「登記識別情報」という別の書面が交付され、実務で用いられることになっています。
もしまだ交付してもらっていないのならば交付請求して下さい。
しかし一度交付されたものを紛失してしまったら・・
登記識別情報は再交付されない!
この書面はどんなことがあっても再交付は不可能です。
たとえ盗難にあったとしてもです。
こうなると不動産の売買は不可能ではないにしろ、一定の手続きが必要になるため手間がかかってしまいます。
方法は二つあります。
「事前通知」というものと「資格者代理人による本人確認」というものです。
「事前通知制度」とは
これは郵便制度の一つで本人限定受取郵便を利用するものです。
法務局でこの制度を使いたい旨を話せば、この郵便を使って「あなたの不動産について登記申請があったが、行っても良いか?」という通知が送られてきます。
これに同付されている書面に実印を押して「良いですよ」という返事を出すことで登記が行われるという仕組みです。
権利者である本人しか受け取れない郵便ですから、これで本人確認ができるわけですね。
注意が必要なのはこの返事を2週間以内に出さないと手続きがストップしてしまうので、旅行前などは行うことができないかもしれません。
「資格者代理人による本人確認」とは
これは司法書士などの資格者に手数料を払って本人確認してもらい、その旨の証明書を作成してもらって法務局に提出するものです。
通常登記事務と一緒に委託することになりますから、利用者の手間を大幅に省くことができます。
依頼者と資格者代理人は面会を行って、免許証などを用いて本人確認を行います。
代理人が「確かに本人であることを認めた。本職の責任でこれを証明する」とした証明書を作成し登記申請書類と一緒に提出することになります。
大抵は不動産業者に依頼すれば提携している司法書士が手続きにあたることになります。