売却依頼している不動産業者が、依頼中に倒産したらどうなりますか?
不動産の売却を依頼している不動産業者がまさか倒産するなんてことは、依頼時には普通分からないものです。
業界人であれば「どこぞの社は最近危ないらしい」などと噂を聞くこともあるでしょうが、一般人には知り得ません。
もしそういった情報を掴んでいたなら、当然そのような業者は避けた方が良いですし、
中には慎重な人もいて、依頼する業者の信用調査を興信所などに頼む方もいるかもしれませんね。
中小よりは大手の方が心配が少ないかと言えば必ずしもそうではないので、一概に言えませんが、興信所と言わずともそれとなく情報収集してみると良いでしょう。
では実際に仲介依頼した不動産業者が倒産してしまったらどうなるのでしょうか。
契約続行の可否は破産管財人の意思に左右される
業者が倒産すると破産管財人が選任され、以後の事務処理を行います。
依頼者がまだ手数料を支払っていない場合は、双方未履行契約(まだどちらも債務を履行していない)という状態にあり、契約通り業者が仲介を実施して手数料をもらうか、契約解除するかを選択します。
管財人が契約通りの債務履行を選択した場合、不動産業者は契約通りの仲介をする債務を負い、依頼者は手数料を支払う債務を負います。
管財人が契約の解除を選択した場合、まだ手数料の半分などを支払っていない場合は、綺麗に契約解除でその業者との付き合いは終わりです。
次回からは倒産の心配のない業者を選びましょう。
もし手数料の半分などを支払ってしまっていたら、その金額の返還請求が可能です。
この返還請求は、原状回復の請求であるため財団債権からの返還を受けられます。
財団債権というのは、破産手続きによらずに随時弁済を受けられる債権のことです。
通常会社が倒産すると、残った財産は破産債権となり、債権者達はその資金源から配当という形で弁済を受けるため、自社の債権の全額を配当してもらえない可能性があります。
財団債権は配当形式ではなく、通常の契約の履行と同じように全額の弁済を受けられるものです。
このように、仲介を依頼した不動産業者が倒産した場合は、相手方の破産管財人の選択によって契約解除か、引き続き契約の履行に進むかが決定されます。
もし管財人がなかなか結論を出さない場合は、依頼者は相当期間を定めて、どちらを選択するか決定せよと確定を求めることができます。
もし返答がない場合には、契約解除を選択したものとみなされます。