住宅ローンを滞納しても家に住み続けることは可能ですか?ローンのある家は売れないのでしょうか?
住宅ローンは完済することでその物件を完全に自分のものにできるという契約ですから、支払いができなければその住宅に対するあなたの権利は失われます。
ですから滞納が続けば住み続けることはできなくなります。
通常は滞納が起きると事前の警告から始まり競売へと手続きが進みます。
どのような流れで進むのか見ていきます。
およそ2か月間滞納が続くと
この時点で「代位弁済の予告通知」が届きます。
これはザックリと言えば、「このまま滞納が続けば保証会社から一括で返済をしてもらいます。
これに伴ってあなたは保証会社に残金を一括返済しなければなりません。
それが出来なければ自宅は競売にかけられます」という警告です。
ローンを組んだ銀行等は保証会社から一括で弁済を受ける(代位弁済)ことができるので全く困りませんが、あなたの自宅は最終的に競売という手続きにかけられて、強制的に換価処分されることになります。
そうなるとあなたは自宅を失うのでそこにはもう住めなくなります。
およそ3か月~4か月滞納が続くと
実際に代位弁済が実行され、「代位弁済手続き開始」のお知らせが届きます。
こうなるとあなたが弁済をする相手は銀行等ではなく、保証会社に対して行うことになります。
また、これまでのように月々の分割の支払いではダメで、残金を一括返済しなければなりません。
これを「期限の利益の喪失」といいます。
残金の一括返済ができない場合はいよいよ競売にかけられてあなたは自宅を失うことになります。
こうならないためにもローン契約をした銀行等からの連絡は漏らさずにチェックしておかなければなりません。
残ローンのある家は売れるのか?
ローンが支払えなくなった場合には自宅の売却も考える必要があるでしょう。
支払いが苦しい場合の対処法については、この2つのページで紹介しました。
(参考1)住宅ローンの支払いが苦しいです。今の家を売って、安い家に買い換えるか迷っています。
(参考2)夫の給料が下がり、マンションのローンの支払いが苦しいです。どうすればいいですか?
しかしローン支払い中の家は債務者(銀行等)の承諾なしには勝手に売れません。
売る場合は残ローンの一括返済が条件になりますので、売却代金でそれを支弁できるかどうかをよく検討する必要があります。
もし売却代金でまかなえない場合は自己資金を投入して全額を返済しなければなりません。
その点は不動産業者とよく話し合う必要がります。
しかし競売よりは断然高い値で売ることができるので、競売に進んでしまう前に手を打つ必要があります。
ローンの支払いが困難で早く換価が必要な場合には「任意売却」という手法も考えられるので、それを得意とする業者も検討する必要があるかもしれません。