人が住んでいる家を売ることはできますか?賃貸契約しているので、現在居住中です
あなたがどなたかに貸して利用させている家を売りたいということですね。
可能ではありますが、この場合いくつか注意しなければならないことがあります。
空家の売却と違って、売り主、買い主の他に賃借中の人という3人の登場人物が出てくるので利害関係が衝突してしまう場合があるからです。
今回の場合はあなたが物件を売ろうとしている人がどのような目的で購入するのかによって事情が変わってきます。
まずは今回の事例では法律的にどう展開するのかを見ていきます。
入居者がいても売却は可能
先に結論をお伝えしますが、賃借人が未だ入居中の物件でも、オーナーは自由に物件を譲渡できます。
不動産のオーナーが変わるだけですので、オーナーチェンジなどとも呼ばれます。
オーナーチェンジは、あまり頻繁に行われるわけではありませんが、今回のようにオーナさんが高齢になってきて管理が難しいとか、相続を考えると子ども等に承継させるには負担になる物件だとか理由は様々です。
自由に売却はできるとして、収益物件の売却ならではの特徴として知っておいた方が良いことを考えてみます。
物件の価値はどのくらいあるのか。買い手がつくかは別問題
売却が自由にできるといっても、買い手がつくかどうかはまた別の問題です。
売りたい時にすぐ換金できないのが不動産の弱点ですが、アパート等の築年数や老築度合いによっては、マイナス要素が強く働き、売却が難しくなったり、減額が必要になったりすることもあります。
老築度が強いアパートの場合、修繕費や維持費への高額な資金投入が必要になることは目に見えていますから、次のオーナー候補も収益物件として購入を考えていたとしても購入代金を圧縮して修繕費に回したい気持ちが働きます。
また、現在の賃借人と交わしている契約上の賃貸料も勝手に変えることは難しいので、家賃収入が魅力的でなければ、買い取り金額も下げざるを得ません。
利回り等を考えて、利益が出なければ購入する意味がないからです。
現在の賃借人は借地借家法で保護される
賃貸借契約にも複数ありますが、もし「定期借家契約」であったならばその契約期間満了まで待たなければなりません。
しかしそのような契約は稀で、通常は一般借家契約といっていわゆる普通の賃貸借です。
この場合その家の所有権を持っているあなたは自由に他人に家の所有権を譲渡することができますが、その場合所有者が変わり、以後新しい所有者の元で賃借人と賃貸借契約が存続することになります。
借主は引き続き借りる権利があるということです。
新しい所有者が賃貸ビジネス目的で購入する場合はなんら問題はありません。
むしろ借り手付き物件ということで喜ばれるでしょう。
新しい所有者が自分で住む目的で購入する場合
この場合少し厄介です。
前述の借地借家法で現在の賃借人は借り続ける権利が法律上保証されているからです。
賃借人に退去をさせるには二つの条件が必要で、一つは契約満了の6か月から12か月前までに申し出ること。
もう一つは退去を必要とする正当事由が必要ということです。
この二つ目の条件が実は非常に厳しく、単に「別人に売るから退いてくれ」では正当事由にはなりにくいのです。
正当か否かの判定はとても微妙で、裁判上の争いから導き出された判例などを指標として個別ケースを考えていかなければならないのが現状です。
今回も売却にともなう退去要請であれば、引っ越し代はもちろんですが、それ以上の「迷惑料」的なものを上乗せして解決を図る必要が出てきそうです。
金銭を支払うことによって先ほどの正当事由を主張しやすくするのです。
「これだけの十分な金額を提示しているのだから賃借人が断る理由はない」と言わしめるくらいの十分な額でないといけません。
現在の法律は借り手に有利に設計されているとよく言われるのは、契約上弱者になりやすい借り手を重視して法整備がなされているためです。
購入者が土地のみを利用する場合
新たな購入者がアパート経営ではなく土地だけに興味があり、他の目的に利用しようと考えている場合でも売却は可能です。
現在の入居者は、一定の居住権が認められるので売却後即時の強制退去はできません。
しかし、アパート等の買取に力を入れている業者であれば、退去交渉なども長けてるので円満に解決することができるでしょう。
といっても入居者の属性も、価格交渉のファクターになるので、家賃滞納者がいる、退去交渉が難しそうな住人が複数いるなどの場合は売却代金の減額を要求されることもあります。
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