不動産業者を通さずに家を売る方法はありますか?不動産を売りたいのですが、買い手が見つかりません
不動産の売買を仲介業者を介さずに売ることは不可能ではありませんが、かなりハードルの高い仕事になるでしょう。
というのも、仲介業者は何もせずに高い仲介料を徴収するのではなく、それ相応の専門的なノウハウや知識などを使って集客し、契約トラブルなどから売主を守ってくれているからです。
その保護を受けずに、自分で全ての作業をやることは、一般的には素人には難しいことと考えられていますが、絶対に不可能なことではありません。
では、自分で売却を進める場合は、どのような手順を踏んでいけばよいのでしょうか。
集客のための広告宣伝
不動産業者でなければ、レインズのような便利なシステムが使えないので、自分で広告宣伝を行う必要があります。
パソコンを使える場合は、物件情報を乗せたサイトを作成し、グーグルなどの検索エンジンの検索対象に載せてもらえるように手配をします。
しかし、ただサイトを作成しただけでは、誰も検索できない状態なので注意が必要です。
また、物件を魅力的に見せる写真の取り方や、掲載方法も勉強する必要があります。
パソコンを使えない場合、あるいはサイトと併用してチラシを作る場合は、チラシ業者を利用するか、プリンタなどで自作します。
作りが素人じみていると信用されないので、しっかりしたものを作らなければなりません。
チラシ配りも一人では大変なので、友人などに協力してもらってできるだけ広い範囲に配るようにしましょう。
基本は近場から順に範囲を広げていきます。
親せきや友人などで買い手が見つかれば、この段階は比較的簡単に済みますが、多くは見込み客の発見と誘引が大変でしょうね。
見込み客との交渉
物件に興味がある見込み客から接触があれば、内覧などの手配をします。物件の魅力を最大限に伝えるようにしますが、あまり露骨になると敬遠されます。
見込み客の要望を聞いて、補修など対応可能であれば、要求に応じることも必要です。
金額面や引き渡し時期などの交渉も必要ですので、話を詰めます。
買い主との契約
話がまとまったら、交渉によって合意が取れた点も含めて契約書を作成します。
この契約が素人には怖いところで、瑕疵担保責任など、法律に明るくない人にとっては考えもしない落とし穴が潜んでいる場合もあります。
契約については、弁護士や司法書士などで不動産に詳しい専門家や、不動産業者にアドバイザー料を支払って監修してもらった方が良いかもしれません。
自力で自宅売却することのデメリット
不動産業者を通さずに、自宅を自分の力で自宅を売却したいとのことですが、不可能ではありませんが非常にハードルは高いでしょう。
個人で自宅の売却に動く場合に、どんなことが問題になってくるのか見ていきましょう。
- 宣伝広告ノウハウがなく、集客能力が低い
- 買い手が敬遠する
- 契約やトラブル対処の法的知識が乏しい
宣伝広告ノウハウがなく集客能力が低い
今の時代であれば、ネットにホームページやブログなどで、物件情報を公開することもできますが、それだけでは不十分です。
不動産業者は、レインズという業者しか使えない物件情報網を使用できますが、個人は使えません。
チラシを配るにも、紙や印刷機、インク代がかかりますし、印刷業者を利用する場合は、結構な費用がかかります。
また、チラシ配りも自分で撒ける範囲などたかが知れていますので、チラシ業者に依頼すれば、これまた数万円から数十万円の費用がかかります。
結局個人での能力に限界があることを知る結果となるでしょう。
買い手が敬遠する
買い手としても、交渉相手が個人となると不安です。
専門知識のある不動産業者だからこそ話を聞いてみよう、交渉してみようという気になるので、個人が相手だとかなり不安です。
トラブルの際にはちゃんと対応してもらえるのか、適切な説明を受けることはできるのか、
そもそも説明できるだけの知識があるのかなど、不安はつきません。
こういったことから、せっかく興味がある人がいても、接触すらしてこないことも多くなると思われます。
また、個人を相手にする場合、住宅購入の際に利用する住宅ローンについても、いろいろな手続きや条件があり、手間がかかりますので、たいへんです。
結果として買い手がかなり限定されることになります。
契約やトラブル対処の法律的知識が乏しい
素人では契約書の作成もままならないでしょう。
市販のひな形では不十分ですし、専門家に依頼して契約書の作成だけでもお願いすることになりそうです。
また、瑕疵担保責任など、引き渡し後のトラブルなどへの対処も考えなければなりません。
親族など身近に法律の専門家がいて、いちいち相談料など取らずに随時相談に応じてくれるような顧問的存在がいれば別ですが、細かいことをいちいち相談しなければならないと、契約自体がなかなか先に進まないこともあるでしょう。
まとめ:それでも自分で家を売りたい方へ
このようなことから、個人での自宅売却には結構なハードルが存在します。
不動産業者へ支払う仲介手数料は確かに高いですが、それに変わる安心感は得られます。
それでも不動産業者に頼らず売却してみたいという場合でも、契約書の作成だけは専門家に依頼するようにしましょう。