空き家を売る場合の税金は変わりますか?住民票が別のところへ移っている不動産を売る場合について
不動産を譲渡した場合には、その売却代金に税金がかかってしまいます。
譲渡所得という課税対象にされてしまうためです。
日本の税法は、税金をかける際には、必ずその対象物を数字化して、課税対象を明確化させます。
その上で、その対象に税率というものをかけて、最終的な税金額を算出します。
不動産の売却の場合は、その所有期間によって税率が変わります。
基本的に、短い所有期間は投機性があるということで税率は高めに、所有期間が長いものは投機性が薄いということで税率は低めに設定するのが税務当局の考え方です。
今回は、住民票を移しているということで、おそらくもう住んではいないのでしょう。
そうなると所有期間が長いことも考えられます。どのくらいの期間で税率が変わるのでしょうか。
所有期間が5年超か、5年以下かが分かれ道
不動産の所有期間は5年超経っているか、それとも5年以下かで税率が変わります。
この「5年」は取得してから譲渡した日が属する年の1月1日までで計算されます。
その期間が5年を超えていれば長期譲渡所得として低い税率で計算され、5年以下であれば短期譲渡所得として高い税率が設定されます。
長期譲渡所得には20%、短期譲渡所得には40%の税率がかけられます。
税率は変わっても計算上の儲けが無ければ税金はかからない
長期譲渡所得は短期の倍の税率ということで驚かれるかもしれませんが、実際の税金額の計算では様々な補正がされて税金がかからないことも多いのです。
税金というのは「利益」に対してかけられるものです。
事業やビジネスを想像すれば分かりますが、利益を出すには経費をかけていますよね。
実際の収入から経費を引いた額が正味の利益になるわけです。
不動産の譲渡収入にも、一定の費用や経費がかかっています。これらを差し引いて計算することができるのです。
差引けるのは取得費といって、原則として、その不動産を購入した代金から、減価償却分を引いた額、そして譲渡費用と言って、その不動産の譲渡手続きの為にかかった経費です。
例えば、不動産業者に支払った仲介手数料や登記費用、印紙税、土地を売却するための家屋の解体費用、測量費用などです。
これらの経費を引いても、なお売却に伴う収入があった時に、初めて上記の税率がかけられ税金が算出されます。
この計算をすれば、多くの事例で税金を0にすることができるうえ、さらに特別控除なども用意されていますから、条件が合えばさらに利益を減算することが可能です。