専任媒介契約を解約したい。他社に依頼したいのですがどのような方法で他社を探せばいいですか?

72.専任媒介契約 解約

媒介契約を途中で解約したいということで、その手続き方法について知りたいということですね。

専任媒介契約の場合は同時に他社への仲介依頼はできませんから、別業者と契約する前に現在の契約を解除しなければなりません。

通常3か月契約を更新していくことが多いので、その期間の満了まで待てば特に手続き不要で別業者と契約できますが、それを待たずして契約を途中で解除することも可能です。

解約をするときのポイント

解約前に知っておきたいこと、解約時に気を付けることを紹介していきます。

一番気になるところは、支払が発生するかという事ではないでしょうか。

解約時の支払いに関することを特に説明していきますね。

 

解約に違約金はかからない

仲介契約は委任契約ですから、好きな時に契約を解除できます。

違約金も必要ありません。

ただし、業者が広告宣伝にかけた実費費用は請求されることがあります。

もし請求されたらその費用が何にかけられたものなのか、明細の提出を求めて下さい。

納得できないものは交渉の対象となります。

 

解約するときには消極性を指摘する

業者側に積極性がなく契約解除に至る非があると説明できなければ、媒介契約の種類や内容によっては実費の請求を受けることがあります。

専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の順にペナルティの制約が大きく、前者二つの契約タイプの場合はただ契約を解除するだけでも業者側の対応不備をうまく指摘できなければ広告費用などの実費を請求されることがあります。

ただ実務上は請求が無い場合が多いようですが、これは不動産オーナーと業者は今後も他の不動産取引で長く付き合いが続くので、一つの不動産の為に不仲になることは利が無いと業者が考えるためです。

不動産オーナーは複数の不動産を持っていることが多いですからね。

 

契約違反がある場合は損害賠償請求も可能

契約通りに買い手を募る努力を怠ったなど、業者側に契約解除に至る責任がある場合には、契約解除ができるのはもちろん、損害が発生していれば損害賠償の請求も可能です。

しかしそうなると業者側も態度を硬化させて争う姿勢を見せるかもしれませんので、ここは契約解除だけで手を打つのが利口でしょう。

また、業者側の契約違反として、専属専任媒介契約、専任媒介契約の場合には、不動産業者に指定流通機関(レインズ)への登録義務や、業務処理状況の報告義務があります。

 

専属専任媒介契約では、契約から5日以内に指定流通機関へ登録しなければならず、1週間に1回以上業務処理状況の報告義務があります。

専任媒介契約では、契約から7日以内に指定流通機関へ登録しなければならず、2週間に1回以上業務処理状況の報告義務があります。

 

これらの登録や報告がなされていないことがありますので、適切に登録されているか、報告はきちんとされているかを不動産業者へ確認しましょう。

一方、反対に売主がこっそり他社にも仲介依頼していたなどの違反がある場合には、逆に損害賠償の請求を受ける可能性もありますので注意して下さい。

 

解約をするときは誠意をもって意思を伝える

専任媒介契約でも専任媒介契約でも契約途中での中途解除は可能です。

できれば期間満了まで待つのがベストですが、やむを得ない場合は正直に話して契約解除を申し出ましょう。

不動産業者も一生懸命に買い手を探そうと努力しているわけですから、あまり身勝手な理由で解除してしまうと、後の付き合いがしにくくなることもあるので上手く説明して下さい。

不動産オーナーは複数の物件を扱うことが多いので、結構長い付き合いになることが多いのです。

 

専任媒介契約以外の場合

これまでは、専任媒介契約の解約ついて解説してきました。

専属専任媒介契約と一般媒介契約の解約についても解説していきますね。

 

 専属専任媒介契約の場合

このタイプの契約を結んでいる場合で、業者が積極的に売ってくれないという事情で契約を中途解除したい場合は、業者側の債務不履行(契約に従って買い手の確保活動をしない)ということを主張して依頼者は契約を解除できます。

その際それまでにかかった広告費などを請求される可能性はありますが、実務上はほとんど請求されることはないようです。

もし請求された場合は業者側の債務不履行による損害賠償との相殺を主張するなどして実質的な救済を図ることも可能です。

一方、契約を解除せず勝手に他の業者に依頼して取引を成立させた場合は後で約定金額を請求されることになります。

さらに自分で勝手に取引相手を見つけて契約した場合(自己発見取引)も同様に約定報酬を請求されることになります。

ここで重要なポイントとして、専属専任媒介契約は依頼者にとって拘束力の強い契約であることから、有効期間は3ヶ月(契約更新の場合も3ヶ月)以内と決められています。

(なお、3ヶ月を超える契約を締結した場合でも、有効期間は3ヶ月と見なされます。)

また、専属専任媒介契約を締結した不動産業者は媒介契約締結の日から5日以内に指定流通機関(レインズ)への登録が義務付けられています。

さらに、販売活動の状況などの仲介業務の実施について、依頼者へ1週間に1回以上報告する義務が課せられています。

このような規制があるにも関わらず、実施していない場合は、不動産業者へ確認するとともに、契約解除を申し出るとよいでしょう。

 一般媒介契約の場合

この場合も業者側の債務不履行を主張して契約を解除できます。

この場合は基本的には業者側に宣伝広告の義務はないので、個別の契約に取決めの条項が無ければ契約解除時の広告費の請求はありません。

他の業者との重複依頼の契約成立では広告費の取決めがあれば実費の請求が来ます。

しかし自己発見取引ではなんのペナルティもありません。

一般媒介契約には、「明示型」と「非明示型」があります。

明示型の場合は、他の不動産業者へ同時に依頼した場合には、通知義務がありますが、契約自体は認められます。一方、非明示型の場合は、他の不動産業者へ同時に仲介を依頼しているどうかの通知義務はありません。

専任媒介契約と異なり、契約の有効期間の制限はありません。また、指定流通機関(レインズ)への登録義務や報告の義務もありません。

 

次の業者のめぼしはつけておく

専属専任媒介契約、専任媒介契約の契約解除後は

現在の契約を解除したら別の業者と契約を結ぶことができます。

もし現在の契約相手が、上手く買い手を見つけてくれないなどの不満があって業者を変える場合は、対象不動産の取引に経験と自信のある業者を探しておきましょう。

同じ不動産業者でも物件の種類や取引の種類によって得手不得手がありますから、一軒家の売買仲介ならばそれを得意としていて経験数もある者を、マンションの賃貸取引の仲介であればそれを得意とする者を探すなど、依頼する側も業者選びに気を使う必要があります。

どこを選んでいいかわからないといった場合は、一旦、複数業者に一括見積もりを出して、机上査定の段階で不動産業者の実力を見るというのもいいと思います。

72.専任媒介契約を解約したい。他社に依頼したいのですがどのような方法で他社を探せばいいですか?

 

 

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