家の売却査定依頼を複数の業者にしましたが、なぜ査定額に差が出るのですか?
不動産のような大きな資産を売りに出す場合複数社から見積もりを取ってもらうのは常識といえますが、その査定額が同じくなるということはまずありませんよね。
数十万円、あるいは数百万円の査定額の差が出ることもしばしばです。
元々の価格が不動産の為大きいからブレの差も大きくなるということは否めませんが、それだけでなくその不動産の価値判定の手法や経験、過去事例の積み重ねの有無などが関係してくるので、それが金額の差になって現れてくるのです。
ここで、不動産の価値判定の特徴を知るために、家電や生活用品、電化製品の買取をする中古リサイクルショップと比較してみましょう。
一般の中古リサイクルショップの場合
同じ商品、例えば腕時計を複数のリサイクルショップに持ち込んだ場合、比較的似たような価格提示を受けることが多いと思います。
これはその腕時計のモデルやブランド、発売時期、市場での取引価値などを入力することで瞬時に一定の価値が判別できるようになっているからです。
あとは傷などの個別事情を考慮して実際の額が提示されます。
システムで大部分の判定ができるのでどこも似たような額になります。
元々の物品の価値が不動産よりも低いのでブレ幅も少ないということもありますが、不動産と違って市場価値の大部分をシステム上で判断できるためにブレも少なくなります。
不動産の場合
不動産の場合は、取引事例をまとめたシステムによって物件が存在する地域や建物の構造、築年数などを入力すれば大体の価値が分かるというシステムも登場していますが、基本的にはそれで分かる価値の割合は先ほどの腕時計などの一般財産と違って大きくありません。
それよりも重視されるのは実際に目で見た室内の状況や、外見、配管の腐食度合等の他に騒音や周辺の環境、土地の道路との設置面積、スーパーや病院など生活施設の配備状況など物件個別の事情の方です。
そしてこの判定には各業者、もっといえば各担当者が過去に経験したケースや情報の蓄積、その活用力などに大きく左右されます。
業者間で査定額が違うのはこの影響が大きいからですが、同じ業者内でも人が違えば異なる査定額を出すことでしょう。
システムよりも経験や情報の活用力が正確な査定額を出す根拠になるからです。
ですから出された査定額がどのような算定根拠ではじき出されたのかをよく聞いてください。
高ければ良いというものではないので、より納得性の高い説明をしてくれた業者を利用すべきです。