家の売却査定を依頼しましたが、安すぎます。適正な査定価格を知るにはどうすればいいですか?

46.家の適正な査定価格 知るには

家の売却を考える時には必ず不動産業者に査定をお願いすることになるでしょう。

しかし時には「えっ!?こんな安いの!?」と驚かれることもあるでしょう。

 

「不動産の売却はまとまった大きなお金を手にすることができる」という先入観もあるのかもしれませんが、土地と違って家屋の場合は価値が急激に値減りするので土地ほど高額にならないことは十分に理解しておかなければなりません。

 

多くは周辺の不動産取引から査定する

一般の不動産業者の査定は、周辺の不動産取引に重きを置いてなされることが多いと言われています。

この方法は過去に類似の取引があった時の事例を参考にして、「今回も似ている案件なのでこれくらいかな」という感じで出される値段です。

過去の事例を出してきて説明されると、聞く方も納得性が高いのでなるほどと思わされるわけですね。

ただ過去の実例は今回のあなたとは事情が異なる部分もあります。

例えば過去の事例ではオーナーさんが資金調達のために売り急いでいた事情があり、相場よりも低い価格で売ってしまったとか、別件で貸しがある人に譲渡するために高めの値段で売ったなどです。

ここら辺は適宜修正して計算されます。

訪問査定では過去事例の適用が難しいこともある

過去事例を参考にする査定方法では今回の物件と似たような事例を参考にして査定を行います。

大枠で類似したケースを引っ張りだして比べることになるわけですが、いくら類似といっても、家屋というのはそれぞれ千差万別で類似というにも苦しいことが多いのです。

訪問してされる詳しい査定では過去事例を参考にしながらも、「今回の物件は風呂場に取りきれないカビがある」、「外壁にひび割れがある」など個別具体的な事情によって補正されていくので、査定額が過去事例とはかけ離れた数値になることもあります。

過去の参考価格を基準にしながらも、マイナス評価される点、プラス評価される点の説明を査定者に聴き取りをすることで詳しい査定の根拠を知ることができます。

複数業者に査定をお願いしてみる

不動産業者といっても売買仲介を得意とする業者以外にも賃貸ビジネスが主体の業者もあれば買い取って転売するのが得意な業者もあります。

売買仲介が得意な業者以外では、ノウハウや経験が少ないために買い手の調達に自信が無く、低い値を武器にして見込み客を誘致するしかないためにどうしても査定額が下がってしまうこともあります。

逆に見込み客を複数抱えている業者の場合は買い手が付きやすいので、強気の値段を提示できることもあるでしょう。

 

査定をお願いする業者が「うちは仲介専門です。自信があります」という看板でも掲げていれば別ですが、外見からは得意分野が分からないこともあります。

 ですから1社だけではなくて複数の業者に査定をお願いして、査定額の根拠も聞いてみることです。

 

もしかしたら低すぎると感じた最初の金額が実は平均的なものである可能性もありますし、よく根拠を聞いたら確かに納得いく説明だったということもあります。

時間と手間がかかりますが、複数社を利用してしっかり説明まで聞くようにすれば精度の高い査定を引き出すことができます。

 

査定額が高ければ良い業者というわけではない

冒頭で述べましたが、業者に直接買い取りを依頼するための見積もりではなくて、売却の仲介をお願いするための査定の場合、最終的には手を上げた買い手が価格を決定します。

その前の広告表示用の金額を調べるために査定をしてもらうわけですので、高い査定額を付けた業者に仲介を依頼しても、そのままの値段で売れるわけではありません。

中には契約欲しさに高めの査定額を提示する業者もいますので、注意が必要です。

物件に見合わない高い値札で売りに出せば、売れる確率は落ちますし、高値を嫌って、内覧等の申し込みすらしてこないかもしれません。

物件相応の値段で売りに出す必要があるのです。

そして、物件相応の値段と言うのは、一社だけの査定では正確性に劣るので、やはり複数業者の意見を聞くことが必要になってきます。

そして、各社の担当者から、どうしてその査定額になったのか根拠をよく聞いてください。

外装の傷や汚れ、内装の劣化、周辺環境の要素など、しっかりとした業者であれば答えてくれるはずです。

 

最後の手段は不動産鑑定士

どうしても納得がいかないというならば、最後の手段として不動産鑑定士による鑑定により、日本で最高の学術的鑑定技術を持って評価してもらうこともできます。

鑑定士による鑑定は裁判上の争いの解決に用いられる他、相続時の遺産分割や離婚時の財産分与などで対象不動産の価値について争いがある場合に、中立で公平公正な立場から国家資格者として重い責任の元で価値を鑑定してもらえます。

(参考)不動産査定と不動産鑑定ではどう違いますか?

 

費用もかかってしまうため、一般の売却事案で用いられることはほとんどありませんが、選択肢としてこのようなことができるということは覚えておいて損はないと思います。

また、最近では売買価格が適正かどうかを見極めてくれるコンサルティングサービスを行っている不動産鑑定士もいるので、不動産業者が行った査定額に不満があるときや、疑問があるときは、一度相談されてもいいかもしれません。

46.家の売却査定を依頼しましたが、安すぎます。適正な査定価格を知るにはどうすればいいですか?

 

 

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