不動産業者の査定と固定資産税の評価額、どちらの金額で売れることが多いですか?

42.不動産業者の査定と固定資産税の評価額、どちらの金額で売れる

不動産には複数の価値があると言われています。

その不動産を見る人によって、価値を判断する目的によってその物件の価値は変わってくるからです。

その中でも不動産業者が行う査定によってはじき出された数字と、市区町村役場で取れる固定資産税の評価額証明書に記載された評価額では、どちらの金額で売れることが多いでしょうか。

 答えは前者、不動産業者の査定額です。それがなぜなのかお教えします。

 

 固定資産評価額は取引実務のためのものではない

 不動産の売却を考える場合は、固定資産評価額はあまりあてになりません。

それは売買取引などのビジネスの為に設定された数字ではないからです。

 

固定資産評価額はその不動産に固定資産税を課税するために用いられます。

日本の税金システムはなかなかよくできています。

というのも、課税をする税務署なり税務署の職員なり、あるいは地方自治体の職員なりが恣意的に税額を高くするなどの不正が出来ないようにするために、必ず課税標準を数字で定めなければならないことになっています。

 

課税標準とは課税するための標的のようなもので、これに税率をかけて税額を算出するわけです。

職員が「この物件のオーナーは嫌いだから税金を高くしてやれ」などと恣意的な課税が出来ないように、決められた方法で資産の価値を数値化しないといけないわけです。

 

 固定資産評価額はこの税金の課税の為に作られる数字であって、必ずしも売買取引の実勢価格となるわけではありません。

実務家から参考にされることもありますし、結果として似た金額になることはありますが、基本的には売買取引には関係ないものです。

 

不動産業者の査定額は

不動産業者は不動産取引の実務家です。

彼らがする不動産の査定とは売買等の取引に際して、「普通はこれくらいの額ならば売れるだろう」という予測の数値を出すことです。

その算定根拠は過去の類似物件の取引の際の金額や、対象物件の周辺の状況や生活施設の有無など地理的な魅力なども考慮されています。

もちろん物件固有の価値も査定します。

外観や内部の状況も見ますので、施設設備の状況を見て綺麗であればプラス査定になりますし、傷があったり腐食があるなどすればマイナス査定となります。

固定資産評価額はこのような個別具体的な状況が反映されませんから、実際に物件を見て細かい状況を加味する不動産業者の査定の方が精度が高くなるのです。

42.不動産業者の査定と固定資産税の評価額、どちらの金額で売れることが多いですか?

 

 

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