相続でモメています。自分が住んでいる家が売られることになった。退去を拒否できますか?
相続にはトラブルがつきものですが、中でも不動産を巡る問題が発生しやすいですね。
相続財産の中でも大きな比率を占める土地や建物などの不動産は現預金や証券と違って分割が難しい上に、流動性も低く現金化しにくいという性質があります。
今回は今現在住んでいる自宅の売却が決定したが、あなたは今後も同じ家に住み続けたいということですね。
とりまく事情にもよりますが、自宅の売却を止めさせる手段がないかどうか探っていきましょう。
その住宅に対するあなたの所有権はどうなっている?
相続に際して遺言や遺産分割で、あなたの住宅に対する所有権はどうなりましたか?
もし他の相続人に持分割合100%で相続された場合、あなたはその住宅について何らの権利を持っていないわけですから退去を拒否することはできません。
仮にゴネていつまでも退去しない場合は裁判上で明け渡し請求がなされて、同時に損害賠償も請求されることになるかもしれません。
例えばその住宅の買い手が、あなたが居るために住宅を利用できず、その間にマンション等を借りて住む場合はその費用などです。
所有権がないのに退去を拒否するのは賢い行動とは言えませんのでやめた方が良いでしょう。
売却を阻止できる場合とは?
もしあなたがいくらかでもその住宅に対して持分を持っているとしたら、売却を阻止できるので、売却に伴う退去の必要はなくなります。
住宅の売却処分は権利者全員の同意が無ければなりませんから、あなたが反対すれば売却を阻止できるので、取りあえずの問題は回避できるでしょう。
ただし、その持分の割合によっては今後あなたがその住宅に住めないようにすることも不可能ではありません。
持分の過半数を持っていれば大丈夫ですが、無い場合は売却はできなくても他人に賃貸することはできるので、あなたが居座れば不当な占拠になります。
他の共同相続人との付き合いが良好であれば持分を買い取って完全にあなたの物にすることもできますが、
反対に関係が悪化していて頑として交渉に応じないのであれば協議は不調に終わるでしょうからその場合は裁判に訴えて判断を仰ぐしかありません。
売却しても退去しなくて良い場合とは?
住宅売却の相手が賃貸ビジネスをしている不動産業者である場合は、売却したうえで賃借するという形で住み続けることができる場合もあります。
借家として利用するということですね。
売却後必ず借りられるという保障はありませんが、売却に際しての交渉で引き続きの賃貸を条件にしてみてはどうでしょうか。
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