隣家で殺人事件があった家を売りたい。価値が下がった分を隣家に損害賠償を請求できる?

119.殺人事件があった家を売りたい

不動産の売買や賃貸などの取引においては、その物件の構造など、物理的な瑕疵の他、事件事故によって人が死亡した過去がある場合には、心理的瑕疵として購入者や賃借人に説明する義務が生じることがあります。

また、賃料や売買代金の減額に応じざるを得ないなど、権利者に不利に働くことになるので、頭の痛い問題になります。

今回は、一軒家の売却事案において、隣家で殺人事件が起きたケースを想定して、不動産の価値減少分の損害賠償を請求できないか考えてみます。

基本的に請求自体は自由にすることができる

どんな事情であれ、自分に何らかの損害が発生したと感じたならば、その責任があると思われる相手に対し、自由に損害賠償や慰謝料の請求は可能です。

今回は殺人事件ですから、その事件を起こした犯人に請求することになるでしょう。

しかし、その実効性を考えると徒労に終わることになることも多く、実際は泣き寝入りすることも多いようです。

被害者側に落ち度がる場合には、そちらにも請求は可能ですが、賠償金の支払いに応じなければ、裁判で決着をつけるしかありません。

内容証明等で請求しても、まずほぼ100%支払いには応じないでしょう。

この点、仮に裁判等で法的に相手方に請求した場合、賠償金を勝ち取れる可能性はどのくらいあるのか考えてみます。

過去の裁判例を考量して推測するしかない

この手の可能性を考えるには、過去の裁判例を見てどのくらいの事情であれば、こちらの言い分が通りそうかを推測するしかありません。

不動産の心理的瑕疵を認め、購入者や賃借人への説明義務があると認めるような事案であれば、損害があると判断して、いくらかの賠償金の支払いを命じる判決がでるかもしれません。

売買に伴う物件に隣接する不動産で自殺があった事案では、その売買物件について、心理的瑕疵は生じないとする裁判例と、殺人事件があった土地と隣接する土地を一括して売買する事案では、その土地が比較的狭い土地であることを理由に、心理的瑕疵を認めた裁判例があります。

後者の事案では両土地を一括しての売却ですから今回の想定事案とは少し性格が異なります。

殺人と自殺では、前者の方が瑕疵の度合いが大きく出ると考えられがちですが、実際はその事案の様相ごとで判断するので、一概には言えません。

これらを踏まえると、今回の想定事案では、隣家への損害賠償の請求は認められる可能性は、低いものと判断されます。

心理的瑕疵が認められなければ、不動産の価値の減少も認められないからです。

119.隣家で殺人事件があった家を売りたい。価値が下がった分を隣家に損害賠償を請求できる?

 

 

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